Events report
vol.01
史上初となる「出島組織サミットin出島」が、長崎市の出島で開催されました。
シンガポールや、東京、神奈川、大阪、山口、福岡、大分、佐賀、そして地元長崎の30社・52名が参加。鉄道会社や航運会社、製菓会社など大企業から、スタートアップ支援企業、大学、自治体、伝統工芸など他業種の出島組織が知見を共有する会となりました。
実行委員会会長、鳥巣智行の挨拶から午前のプログラムがスタート。実行委員会副委員長の倉成英俊が「出島組織とは何か?」と題し、独自調査より類型化した7つの出島組織のパターンを発表しました。その後、参加社全社による1分自己紹介がおこなわれそれぞれの取り組みがシェアされます。
午前のセッションが終了し、ランチは出島表門橋公園で出島を眺めながら、様々なメニューがミックスされた長崎名物「トルコライス」を。その後実施された出島組織のための特別出島ツアーでは、事前にピックアップされたスポットを学芸員の山口美由紀氏がガイドします。「なぜ幕府は江戸ではなく遠く離れた長崎に出島を作ったのか」「辺境から新たな文化がうまれる理由」「「つなぐ」だけではない、橋がもたらす意外な機能」など、出島組織の組織運営のヒントになる解説を受けながら出島を見学したあとに、振り返りの時間ではフリーディスカッションの時間が設けられました。参加者からは「出島の中で生活していた人たちは幸せだったのでしょうか」といった質問が途切れず、参加者それぞれの視点で見つけた出島組織のヒントをシェアする場となりました。
「知らなかった!こんな出島組織がある」と題した後半のセッションでは、藤本あゆみ氏(Plug and Play Japan)、米田利己氏(コミュニティメディア)、辻諭氏(224porcelain)、新井達夫様(b.note)が登壇。ファシリテーターを藤吉雅春氏(Forbes Japan)、鳥巣智行がつとめ、大企業型ではない珍しいタイプの出島組織の成り立ちや、そこから生み出されている価値などについて伺いました。
最後のセッションでは「本土との橋のかけかたについて」をテーマに、柴田裕氏(JR東日本スタートアップ)樋口謹行氏(Calbee Future Labo)、キリーロバ・ナージャ氏(電通Bチーム)、岩井泰樹氏(Ocean Network Express)が登壇し、藤吉雅春氏と倉成英俊がファシリテーションしながら、話を伺いました。いまだかつて注目されたことがなかった「出島組織」と「本体組織」の橋のかけかたのポイントについて、実践例を交えながら語る様子は多くの参加者が参考になったようです。
すべてのセッションを終え、最後に長崎出島組織認定が行われました。「長崎出島組織認定」とは、事前に申請した組織に対して、所定の条件を満たしているか実行委員会が確認し、長崎市が公式に認定するというもの。記念すべき第一回の認定式では14社が認定を受けました。認定証と出島への年間パスポートが長崎市長から授与されたのちに、長崎市長からはご挨拶をいただきました。
参加者からは「ひとくちに出島組織といっても、たくさんのタイプがあることを知った」「本体組織との関係性をバランスよく取り、苦労しながらイノベーションを起こしている姿に刺激をもらった」「海外から輸入した考え方を学ぶのではなく、自国の文化を丁寧に読み解き、実践者同士で対話しながら型をつくっていくプロセスが面白かった」「学芸員と巡る特別ツアーに仕事にいかせるヒントがあった」といった感想をいただきました。出島をあとにした参加者たちは、長崎のまちへ繰り出し、さらなる交流を深めたようです。
2回目のサミットは参加者も増え、新たなことも企画中。気になる出島組織のみなさんは、ぜひご参加ください!